ポドルスキはシュート1本。ヴィッセルは世界的クラブになれるのか (3ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by Getty Images

「常に裏を狙えという指示は出ているし、そこは自分の特徴だと思うので、そういうところを出せたゴールだったと思います」

 本人も胸を張る、電光石火の一撃だった。

 もっともその頻度は決して高くなく、その後は決定的なチャンスをほとんど作れなかった。つなぎの意識は高く、ポゼッションで浦和を上回る時間帯もあったが、ディフェンスラインの背後を取る動きに欠け、相手に脅威を与えられず。注目のFWルーカス・ポドルスキもボールを受けに中盤に下がる機会が多く、ゴール近くでのプレーは限られた。

 このポドルスキをはじめ、小川、FW渡邉千真、FW田中順也ら前線にリーグ屈指のタレントが揃っているものの、攻撃での迫力を生み出せないのが、今の神戸の課題だろう。

「ボールは持てているが、そのあとに何が起きているのかというところで、浦和の場合はポゼッションしながら必ず背後を狙ったり、目的を持ってやっている。自分たちはまだそこが足りない。小川(慶治朗)が裏を取ったような形をもっと目的を持ってやれば、よりよいサッカーができると思う」

 吉田監督も現状の課題をそう吐露している。

 試合は19分に同点ゴールを奪われ、1−1の引き分けに終わった。もっとも、本調子とは言えないながらも浦和相手に互角の戦いを演じられたのは、神戸にとっては悪くない結果だった。

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