「守備に自信」で墓穴のドロー。F・マリノスに逆転優勝の目はあるか (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki 山添敏央●写真 photo by Yamazoe Toshio

「前半は横浜の左サイドが強力で、齋藤に山中が絡んできた。縦を切るとカットインされてしまい......主導権を握られてしまった」(柏・下平隆宏監督)

 横浜FMはその後も齋藤を軸に試合を進め、前半終了間際にはヘディングで追加点の好機も得ている。柏のシュートをわずか2本に封じ、攻め手を作らせなかった。完全に流れを味方にしていた。

 ところが後半になると、潮目が変わる。

「プレスがかからないと、ディフェンスラインが下がってしまう」(横浜FM・齋藤)

 横浜FMは受け身となってしまい、形勢は逆転。ボールを握れず、優位だったサイドの攻防でも後手を踏む。

 もっとも、横浜FM陣営には密かな自信もあったのだろう。今シーズンは出足こそ苦しんだものの、第14節の川崎フロンターレ戦では攻め込まれながらも粘り強く守り切った。この勝利をきっかけに、「守って勝つ」というパターンを身につけていた。

「チームとして、FWも"守備から"というのはあって。相手ボールのときは自陣の真ん中まで戻るのが決まり事ですね。(下がりすぎたのは)そのやり方で勝ち切ってきたというのもあったのですが......」(横浜FM・富樫敬真)

 堅い守りこそ、戦術軸だった。

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