気持ちがバラバラ攻と守。崩壊寸前のアルビレックスに打つ手はあるか

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 悪くない。

 それが今季開幕当初、アルビレックス新潟から受けた印象だった。

 粘り強い守備にはまとまりが出てきており、攻撃にもチームとしての狙いが見える。だからこそ、結果は出ていないながらも内容は悪くないと感じた。

 だが、シーズンが進み、J1も第10節を終えた現在、新潟から受ける印象は明らかに悪化している。

 新潟はJ1第10節で、川崎フロンターレとアウェーで対戦し、0-3の完敗を喫した。1勝7敗2分けの勝ち点5は、J2降格圏に沈む17位である。

 新潟はここまでの10試合で総得点7、総失点19。第5節以降の6試合のうち、実に4試合で3失点している。得点が少ないことにはひとまず目をつぶるとしても、これだけ失点がかさんでは、わずかな勝機を見出すのも難しい。

 この川崎戦もまた、勢いに乗れない新潟の悪い流れを象徴するかのような試合展開だった。

序盤は試合の主導権を握っていたアルビレックスだが...序盤は試合の主導権を握っていたアルビレックスだが... 立ち上がり、試合の主導権を握っていたのは、新潟だったと言っていい。

 川崎はJ1では最近4試合勝利がなく(1敗3分け)、この試合でも武器であるパスワークにスムーズさを欠いていた。ひとりひとりがパスコースを探してボールを持つ時間が長く、ノッキングを繰り返す。そんなギクシャクした攻撃に対し、新潟はうまくボールを奪い、カウンターにつなげることができていた。

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