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ひとり別次元のマリノス齋藤学、
シビれるプレーで「左サイドを制圧」 (4ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Getty Images

 そんな言葉を裏付けるような「左サイドの制圧」だった。左から押し込むことで、右サイドの崩れを最小限にしたのだ。

 そこまで齋藤が進化を遂げられた理由は、やはりサッカーとの向き合い方にあるだろう。自分の身体をいかに思い通り動かせるか。そのために古武術や食事療法など、興味を持ったら積極的に試してきた。たくさんの本を読み、気になる人物とは交流を深めている。

 すべてがサッカーのためで、その点の上昇志向は人一倍強い。

 昨シーズンはあえて20ゴールを目標に掲げ、シュート精度の向上に取り組んだ。居残り練習では、若手選手に付き合ってもらい、パスを受け、GKを相手にシュートを打ち続けた。反復の中で同じところを狙って蹴ったり、逆をつき、角度を見つけ、ポイントを会得する練習に励んだ。

「でも、点を取る作業だけではなくて。そこに行くプロセスも好きなんですよ。ゴールはどう生まれているのかを考えて、継続して練習するのが大事で」

 たゆまぬ日々の積み重ねが、今の爆発を生んでいる。リーダーとして、昨シーズン以上に若手を叱咤するようにもなった。戦う姿勢はチーム内に伝播し、渦になりつつある。

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