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期待はずれの横浜FMカイケ。Jクラブはなぜ外国人獲得に失敗するのか (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by AFLO SPORTS

 フラメンゴ育ちのカイケは、将来を嘱望されていた。しかし国内クラブを転々とする中、ポジションを得られずに欧州へ渡っている。そしてスウェーデン、ノルウェー、デンマーク、ポルトガルのクラブでプレーしたものの、鳴かず飛ばず。帰国してから3部、2部でようやく芽を出し、2015年にフラメンゴで半年プレー、18試合6得点と及第点の活躍をした程度である。

 大金をつぎ込むなら、海外で不振だった理由を突き詰めるべきだった。

 カイケはゴールするポジション取りや嗅覚には優れている。フラメンゴ時代のプレービデオを観ると、ディフェンスラインの裏を取ってフィニッシュするプレーを持ち味としているのが分かる。しかしJリーグのディフェンスはカバーに対する意識が高く、一方でカウンター攻撃の意識が低いだけに、裏にスペースが空きにくい。"消える"のは必然だった。欧州で通用しなかったのも、ゴールまで行くのに必要な連係に難があったせいだろう。

 はたして、1億円以上もの年俸を払って迎えるべきストライカーだったのか?

 フットボール先進地の欧州各国では、能力の高い選手の発掘、交渉の部門に力を投入している。例えばプレミアリーグのあるクラブは、スペイン国内だけでも各地域で現地スカウトと契約。毎週末、届けられるレポートを確認している。代理人の情報は有力だが、それを鵜呑みにしない。契約するOjeador(スペイン語でスカウト)は慧眼(けいがん)の記者や銀行員だったりする場合もある。様々なオピニオンを入れることで、情報の精度を高めているのだ。

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