監督の目に涙。「いいけど勝てない」湘南スタイルは再生できるか

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by AFLO

「いいサッカー」が「結果」につながらない――。そんな今季の湘南ベルマーレを象徴するような試合だった。

 今季2番目の動員となる1万4096人がBMWスタジアム平塚に詰めかけた、川崎フロンターレとの「神奈川ダービー」。首位チームを相手に健闘を見せながら、湘南はまたしても結果を出せなかった。これで2ndステージは4連敗。年間勝ち点でも17位に沈み、降格圏にどっぷりと浸かってしまっている。

一致団結して走りまくる湘南スタイルは識者の間でも評価は高い一致団結して走りまくる湘南スタイルは識者の間でも評価は高い 試合は、まさに激戦だった。序盤から川崎Fが試合を支配する展開のなか、32分に左SBの車屋(くるまや)紳太郎が単独で仕掛けて、川崎Fが先制に成功。さらに、後半立ち上がりにFW大久保嘉人が2点目、60分にはコーナーキックからFW小林悠が3点目を奪い、この時点で試合の趨勢(すうせい)は決したかに思われた。

 ところがその3分後、湘南が反撃に出る。途中出場のFW長谷川アーリアジャスールのスルーパスを、こちらも途中からピッチに立ったFW大竹洋平が合わせて1−3。さらに90分、大竹のフリーキックをDFアンドレ・バイアが頭で合わせてついに1点差に詰め寄ると、6分という長めのアディショナルタイムでも湘南の勢いは止まらず、終了間際には長谷川がゴール前で右足を一閃。しかし、ボールは無情にもポストのわずか左に逸れ、直後にタイムアップの笛を聞いた。

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