【フットサル】W杯出場逃した日本。アジア王者に何があったのか?

  • 河合拓●取材・文・写真 text & photo by Kawai Taku

 想定していた最悪の事態を、大幅に下回る結果となった。

 ウズベキスタンのタシュケントで開催されていたAFCフットサル選手権――。フットサル日本代表は14大会目にして、初めてベスト4入りを逃した。また、今大会は9月にコロンビアで開催されるフットサルW杯の予選も兼ねていたのだが、日本は5位決定プレーオフの初戦でキルギスタンに敗れ、W杯の連続出場も3大会で止まってしまったのだ。

W杯出場権を逃して天を仰ぐフットサル日本代表たちW杯出場権を逃して天を仰ぐフットサル日本代表たち 大会前、アジア選手権を2連覇していた日本代表がW杯出場権を逃すと考えていた人は、皆無だっただろう。過去13回のアジア選手権で優勝経験があるのは、日本(3回)とイラン(10回)の2ヶ国のみ。決勝ラウンドがトーナメント方式の同大会で、日本は常に決勝か、3位決定戦が行われる大会最終日まで残っていたからだ。

 しかし今大会、日本代表は準々決勝でベトナム代表にPK戦の末に敗れると、続く5位決定プレーオフの1回戦でもキルギスタンに2-6と大敗を喫してしまう。大会前、日本代表は世界ランク9位で、ベトナムは50位、キルギスタンも45位。明らかな格下相手に2連敗したのだ。

 今回の日本代表は、過去のチームと比べても決して実力的に劣っていたわけではない。むしろ大会前は、「史上最強」と言われていた。その所以(ゆえん)となっていたのが、「個の力が高まったから」だった。グループステージの途中でミゲル・ロドリゴ監督に、「今大会では初めてイランとも個の力で対等に渡り合える日本代表が見られるのではないか?」と聞いたところ、「私もそうなると思っています」と話していた。

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