日本代表がW杯で格上に勝利できるベストな中盤を考える
3月の親善試合(チュニジア戦/2-0、ウズベキスタン戦/5-0)で、ヴァヒド・ハリルホジッチ監督が採用した基本フォーメーションは、「4-3-3」、または「4-2-3-1」だった。次の6月のW杯予選では、どのような選手が招集されるのか気になるところだ。今回は、ハリルジャパンの中盤について福田正博氏が現在の考えを語った。
4-3-3の場合、中盤の構成はセンターバック2枚の前にアンカーがひとり、その前方の左右にインサイドハーフがポジションをとり、逆三角形の陣形が基本になる。
アンカー、あるいはワンボランチとも言われるポジションに適した世界レベルの選手は、日本にはまだ少ない。たとえば、バルセロナのブスケッツ(スペイン代表)のような「高くて強くてうまい」選手がいればいいが、日本にそういう選手はなかなかいない。アンカーに高さが必要になる理由は、ふたりのセンターバックの前に位置するアンカーに「高さ」と「強さ」があることで、ハイボールへの対応も含めた守備が安定するからだ。
たとえば、センターバックにボアテングとバドシュトゥバー(ともにドイツ代表)という強力なDFがいるバイエルンであれば、ラームのような小柄な選手をアンカーに置いてもいいだろう。しかも、バイエルンはほとんどの時間帯で自分たちがボールを保持して主導権を握っているため、アンカーへの負荷がそこまで大きくないので、小柄な選手でも問題はない。
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著者プロフィール
福田正博 (ふくだ・まさひろ)
1966年12月27日生まれ。神奈川県出身。中央大学卒業後、1989年に三菱(現浦和レッズ)に入団。Jリーグスタート時から浦和の中心選手として活躍した「ミスター・レッズ」。1995年に50試合で32ゴールを挙げ、日本人初のJリーグ得点王。Jリーグ通算228試合、93得点。日本代表では、45試合で9ゴールを記録。2002年に現役引退後、解説者として各種メディアで活動。2008~10年は浦和のコーチも務めている。