福田正博が語る「日本人FWの『決定力を育てる』方法」

  • 津金一郎●構成 text by Tsugane Ichiro
  • photo by Matsuoka Kenzaburo

緊急特集「よみがえれ! 日本サッカー」(8)
福田正博が考察する「育成の問題点」

 日本はU--20W杯に1995年から2007年まで7回連続で出場していたが、その後、09年から15年まで4大会連続で出場権を逃している。さらに、U--17W杯は07年から13年まで4大会連続で出場していたが、これも途絶えてしまった。

 ユース年代の育成はA代表の強化に直結するだけに、日本サッカー全体が危機感を持っている今、福田正博氏が考えを語った。

 日本サッカーがさらなる発展を遂げるためには、育成の占めるウエイトがかなり大きい。

 とくに、FWの「決定力」は、選手がプロになってからでは向上させることが難しいため、育成年代からシュートへの高い意識を持たせることが大事で、これは、ユース年代から意識的に取り組まなければいけない重要なテーマのひとつだ。

 最近、日本人選手を指導するうえで、言葉というものが非常に重要なものだと考えさせられる出来事があった。

 先日参加した指導者講習会でのことだ。育成年代の選手に接するときの、欧州の著名な指導者たちの心構えを紹介していたのだが、その中のひとつに「私は、選手に『勝て』と言ったことは一度もない。『いいプレーをしなさい。そうすれば結果は必ずついてくる』と言っている」という言葉があった。

 たしかにいい言葉だと思うが、それをそのまま日本人の若い選手に向けて使うのは、相応(ふさわ)しくないのではないかと感じた。つまり、欧州の選手には適した言葉ではあるかもしれないが、日本人選手に同じ言葉を投げかけても、反応は異なると思うからだ。

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