アギーレジャパン入りに期待。U-23の注目選手たち (2ページ目)
代表監督に就任したハビエル・アギーレ監督は、就任会見の際に「代表に入ることに意欲的で、国を背負うことに意欲的な選手を呼びたい」と言っていた。だが、U-21代表候補合宿では、彼らからその「意欲」をあまり感じられなかったのが、少し気になった。
練習風景を見ていると、選手たちの動きは素晴らしいし、個々に高い技術や戦術眼を備えていることもよくわかった。ただ、貪欲な野心や向上心、つまり、「自分が日本を背負って戦ってみせる」というたくましさは、彼らからはまだあまり感じられなかった、というのが率直な印象だ。
気持ちを強く持てれば困難を突破できる、というやみくもな根性論や精神論を唱えるつもりなどもちろんないし、「気持ちの強さ」は、たくさんある重要な要素のひとつにすぎない。だが、一定水準の技術や戦術をふまえた前提のもとでは、この野心や向上心が非常に重要で、プロの世界ではその有無や多寡が選手としての成否を大きく左右する要素になる。
若手のなかで一番印象的だったのは、センターバックのふたりだ。吉武博文監督が指揮したU-17W杯(2011年メキシコ大会)で成績を残したときのメンバーだった植田直通(鹿島)と、岩波拓也(神戸)。彼らは高さがあり、スピードと足もとの技術もある。今まで日本は、こういったタイプのDFがほとんどいなかった。たとえば、ロンドン五輪のチームでは、関塚隆監督は大柄な選手をDFに置こうとしたが、選手層が薄かったためにオーバーエイジ枠から吉田麻也を入れることになった。
しかし、リオ五輪を目指す今回のメンバーはCBに人材がそろっている。植田と岩波は、ともに身長が185センチ以上あって、空中戦にも対応できるし、パスさばきも正確だ。彼らがこれから学んでいくべきことは山のようにあるが、期待したい。
鹿島でレギュラーに定着しつつある植田直通 彼らは、吉武監督指揮下のU-17W杯で、最後はブラジルに3-2で負けたけれども、それ以外の試合では予選も含めて非常にいい戦いをして、世界を驚かせた世代だ。若いころから国際経験を積んで世界を知っている世代で、今後もアジア大会、五輪、と経験を重ねていってほしい。彼ら自身も自信を持っているだろう。
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