サッカー日本代表のメンバーは1年前よりパワーダウン 実力者を酷使した結果、実力者が消えた (2ページ目)
【1年前のほうが豪華だったメンバー】
26人の顔ぶれを眺めると、日本代表は有力選手で溢れかえっている状態にはないとつくづく思う。ここ1年の間に欧州戦線を個人として駆け上がっている選手はほぼいない。その間、選手は代表チームから続々と離脱していった。冨安健洋(無所属)、伊藤洋輝(バイエルン)、守田英正(スポルティング)、町田浩樹(ホッフェンハイム)、高井幸大(トッテナム)、三笘薫(ブライトン)。スタメン級を失う一方で、彼らに匹敵する選手は何人も加わっていない。
1年前、この事態を想定した人はどれほどいるだろうか。上記のメンバーがいた当時のほうがメンバーは豪華に見えた。そしてワールドカップが近づくにつれ、日本代表を取り巻く世界はいっそうバラ色になると大半の人は思っていたはずだ。ブラジルに勝ったのだから十分バラ色だと反論されそうだが、選手のステイタスである所属クラブと、その出場時間を勘案するとポジティブにはなれない。これではワールドカップベスト8は難しいと言わざるを得ない。日本を上回る国は8チームでは足りないのである。
森保一監督はベスト8どころか「優勝」と言ってはばからないが、今季のプレミアリーグの試合にほぼ出場していない選手(リバプールの遠藤)が、ワールドカップの優勝トロフィーを掲げる姿を想像することは、とてもできないのである。
なぜ目標を問われて優勝と答えるのか。「可能性はある」と言われても、具体的に何パーセントなのか。
日本の過去の最高位は32チーム出場の大会でベスト16だ。48チームでベスト8に入れば、これ以上の結果はない。不満を口にする人はいないだろう。にもかかわらず、森保監督はベスト4でも、決勝進出でもなく、優勝を口にする。世の中を甘く見ているか、煙に巻いて誤魔化そうとしているとしか考えられない。
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