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サッカー日本代表の韓国戦勝利に既視感 カタールW杯後に掲げた「指針」は何だったのか (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki

「(優勝で)メンバー選考は難しくなる」と、森保監督はうれしい誤算のように言うが、自分の分身のように振る舞った選手がピッチにもベンチにもいたということだ。

 しかし、世界は甘くない。森保ジャパンの戦い方のままでは、「ワールドカップ優勝」など夢物語である。運に恵まれたカタールワールドカップも、ベスト16止まりだった。クロアチアとはPK戦の負けで、"あと一歩"ということになるのだろうが、そこから先、ブラジル、アルゼンチン、フランスといった強敵を打ち負かす戦力はない。現実的な目標となるベスト8も、自分たちの時間を増やさないと厳しいだろう。

 この戦い方で「世界」に挑めるのか。これぞ森保ジャパンの憂鬱、である。

著者プロフィール

  • 小宮良之

    小宮良之 (こみやよしゆき)

    スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。

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