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サッカー日本代表は誰が監督でも予選突破は確実 史上最強なのに面白く見えない理由 (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki

【三笘らしいプレーができずにいた】

 たとえば2022-23シーズンのCL準決勝第2戦、マンチェスター・シティ対レアル・マドリード。マンチェスター・シティのジョゼップ・グアルディオラ監督は、レアル・マドリードのストロングポイントであるヴィニシウス・ジュニオール(左ウイング)を怖がることなく、右サイドを積極的に突いて出る作戦で臨んだ。その背後にCBのジョン・ストーンズを張らせるなど、右の高い位置に数的優位を築き、その結果、ベルナルド・シルバの貴重な先制ゴールを呼び込んでいる。接戦が予想された大一番だったが、このゴールを気にレアル・マドリードは崩壊。4-0の大差でマンチェスター・シティがビッグマッチを制することになった。

 ヴィニシウスにディフェンスをさせる。すなわち自軍ゴールから離れた場所に誘導する作戦が奏功したのである。ヴィニシウスが守備に追われ、自慢のウイングプレーを披露する機会を奪われたことが、レアル・マドリードの敗因だった。

 バーレーン戦の三笘も前半、三笘らしいウイングプレーを発揮できずにいた。バーレーンはうまく戦っていた。森保一監督の采配が稚拙に映ったものだ。

 ユーロ2004で最大の名勝負と言われるオランダ対チェコ戦の一戦も想起される。試合を2-0とされたチェコのカレル・ブリュックナー監督は、それまで大活躍を演じていたオランダの左ウイング、アリエン・ロッベンにマークをつけるのを止めた。チェコの右SBカレル・ポボルスキーはマークを捨て、ロッベンの背後に進出。オランダの左SBジョバンニ・ファン・ブロンクホルストに対して、右ウイングのウラジミール・スミチェルとふたりがかりで襲いかかった。するとロッベンはやむなく後退。チェコゴールから遠く離れた場所でプレーする時間が増えることになった。

 ロッベンの魅力が発揮される機会は激減。その結果、チェコは盛り返し、2-0から2-3へと試合をひっくり返した。ブリュックナー監督の采配が光った試合として記憶される。

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