サッカー日本代表、バーレーン戦大勝の要因 だがこれで本大会の「予行演習」になるのか (2ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki

【俊逸なプレーを披露した守田】

 伊東が代表を離れている間、出場機会を増やすことになった堂安は、左利きがキツイことも手伝い、縦に出る推進力は、伊東という右利きの右ウイングに比べて大きく劣る。日本はこのゴールを含め4ゴールを奪ったが、前半と後半で試合内容が一変したいちばんの要因は伊東と堂安の交代だろう。

 三笘に代表される右利きの左ウイングは数多くいるが、右利きの右ウイングは貴重だ。これは世界的な傾向でもあるが、日本でも伊東に代わる選手はいない。浅野、前田大然らでは荷が重い。しかし伊東は31歳だ。33歳で迎えることになるW杯本大会まで、トップコンディションを維持できるか。微妙な問題だろう。

 三笘、そしてこの日、後半28分から三笘に代わり途中交代で入った中村敬斗が控える左に比べると、右は明らかに弱い。森保ジャパンでは2シャドーの一角や1トップ下で出場する機会が多い久保が右に回った場合も、推進力という点で疑問が残る。

 3点目は後半16分。得点者は守田で、きっかけも守田だった。そのアウトフロントキックが右のライン際を走った鎌田の鼻先に通ったことで、局面は動いた。鎌田が脇で構える遠藤に預けたボールを守田は再び受けると、1トップを張る上田にボールを預け、パス&ゴーで前進。リターンを受けるや右足のインサイドでクリーンシュートを決めた。

 守田はその3分後にも三笘の折り返しをゴール前で合わせ、4-0とするゴールを決めている。鎌田、守田のふたりは、採点するならば7以上を出せる、この日のスタメン組として輝いた双璧の関係だった。

 所属のスポルティングはポルトガルリーグで首位を行くチームだが、格的に物足りなさを覚えることも事実だ。しかし、リバプールに所属する遠藤の隣でプレーすると、守田のプレーの質の高さは明白になる。もっと上のランクでやれそうな上級の選手に見える。プレミアやスペインの上位クラブでプレーしてほしくなる、秀逸なプレーを披露した。

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