中村憲剛&佐藤寿人の森保ジャパン2021総括。「このままではいけないと、なっていかないといけない」 (2ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by JFA/AFLO

---- 最終予選が進むなかで、緩やかにですが新たな戦力の台頭も見られています。

佐藤 三笘(薫/ユニオン・サン=ジロワーズ)の登場で劇的に変わりましたよね。最終予選の経験値は必要だとは思いますが、それを持ち合わせていない選手が追い込まれた状況で、あれだけのパフォーマンスを見せてくれた。

 三笘だけじゃなく、山根(視来/川崎フロンターレ)もそうですけど、経験のない彼らが普段どおりのパフォーマンスを発揮したことを考えれば、もっと早く競争を促すことができたと思うし、いい変化が生まれていたのかなと。

 やっぱり、トータルでジャッジする必要があると思うんです。コンディションもそうだし、直近のパフォーマンスもそう。

 FW目線で言えば、直近で点を取ってない選手が点を取れるかと言えば、なかなか難しいこと。点を取っている選手のほうが状態はいいと思うし、そこの部分も含めて、もっといろいろな判断があってもいいんじゃないでしょうか。

---- 最終予選は何より結果を出すことが重要ですが、本大会を見据えた強化の側面で見ると、ちょっと不安ですよね。

佐藤 2018年ワールドカップに感じたベルギーとの差(2点リードから3点奪われて逆転負け)をいかに埋めていくか。そういう物差しで考えると、差は広がってきていると思いますね。本来であれば「このままではいけない」というふうになっていかないといけない。

中村 現状はまず、出場権を手にするという戦いになっていますからね。ただ、今は強化するのも難しいご時世で、そもそも親善も含め強化試合がほとんどできない。

 今回の最終予選も、集まってすぐに試合して、終わったら即解散という流れになっているので、積み上げる時間がなかなかないですよね。トレーニングキャンプもできないですし。

 ただ、さっき寿人は競争が足りないと言っていたけど、森保さんがオーストラリア戦を経て積極的に五輪世代を入れてきているのも確か。来年、さらに新しい選手が出てくれば、次は自分の番というようにこれまで起用されていない選手のモチベーションも高まるはず。

2 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る