日本代表がサウジアラビアに負けていた数々のデータ。柴崎岳のパスミス以外にも負ける要素はたくさんあった (2ページ目)

  • 中山 淳●文 text by Nakayama Atsushi
  • 日本サッカー協会●写真 photo by JFA

 前後半の開始直後こそ前から激しくプレスをかけようとしたが、それを相手に回避されると分かるやいなや、日本は立ち位置を4-4-2に変えて守備ブロックを形成し、できるだけ相手に背後をとられないよう、慎重な守り方で相手の攻撃を受け止めた。

 対するサウジアラビアも、守備時には4-2-3-1から4-4-2に可変。日本と同じかたちでブロックを作り、まさに"がっぷり四つ"で日本に対抗した。

 これまで格下のチームは、日本対策として日本のビルドアップ時にダブルボランチへのパスコースを分断し、大迫勇也や鎌田大地への縦パス封じを試みたうえでカウンターを狙ってくるケースが多かったが、サウジアラビアはそのような対策をせず、真っ向勝負を仕掛けてきた。

 果たして、お互いボールを握りたいチーム同士の戦いは、ホームのサウジアラビアがボールを支配しながらリズムをつかみ、逆に日本はしっかりとした守備から縦に速い攻撃でチャンスをうかがうという、一進一退の攻防が続いた。

 前半のボール支配率は、サウジアラビアの59%に対し、日本は41%。1点をリードしてからはサウジアラビアが守備を重視する戦い方になったので、その後は日本もボールをキープできるようになったが、それでも最終的なボール支配率はサウジアラビアが52%と日本を上回っている。

 本来ボールを握りたかった日本ではあるが、シュート数はサウジアラビアの11本に対し、日本の10本と拮抗。それでもポゼッションでこれだけの差を生んだ理由は主に2つある。

 ひとつは、森保ジャパンの調子のバロメーターとなる、敵陣におけるくさびの縦パス本数に表れている。日本が前半に記録したくさびの縦パスは、わずかに2本(どちらも成功)。対するサウジアラビアは、前半だけで10本の縦パスを記録して、そのうち8本を成功させているのだ。

 同じように守備時は4-4-2でブロックを形成する両チームにあって、なぜこれだけの差がついてしまったのか。その原因を探ると、最初の守備フィルターとなるべき日本の前線2枚による守備の甘さが浮上する。

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