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U-24日本代表、狙った「あわよくば1点」を奪えず。だが、その確率は9年前より高かった (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by JMPA

「全部が後手だった。スキを突かれた」

 失点シーンをそう振り返ったのは、DF中山雄太である。

 アセンシオに加え、FWミケル・オヤルサバルともマッチアップを繰り返し、必死の守備を見せていた左サイドバックは、「その(失点の)前から、スローインからほころびが出そうなシーンがあった。失点に関してもそうだが、その前にもう少し気を引き締められるものがあったら......」と悔やむ。

 だが、A代表にも名を連ね、レアル・マドリードで活躍するほどのタレントが、試合終盤に満を持して登場するのだから、手駒の差は質量ともに大きかった。スペインが地力で勝った結果だと認めるしかない。

「できることはやった。でも、勝てないものは勝てないんで。もう負けを認めるしかない」

 スペインの実力を誰よりもよく知る、MF久保建英はそう話し、うつむいたまま口を開く。

「相手のほうがチャンスはあったが、自分たちの時間帯でシュートを打って、それを決め切れず、逆に向こうに一瞬のスキを突かれて決められた。それが試合の総括じゃないかなと思う」

 公式記録によれば、シュート数はスペインの18本に対し、日本は9本。枠内シュートに至っては、スペインの6本に対して、日本はわずか1本だった。

 久保が続ける。

「できることをやって、守備もやって『あわよくば1点』という戦いを自分たちは選択した。その『あわよくば1点』が、すごく遠かったかなと思う」

「あわよくば1点」。久保が口にしたその言葉は、日本の戦い方――どうしたらスペインに勝てるのか、を端的に示している。

 あわよくばの1点を取り、それを勝利につなげるためには、大前提として相手をロースコアに、できることなら無失点に抑える必要がある。

 そのための手段として考えられるのは、自分たちの時間を作るか、相手の時間を作らせないか、のふた通り。ふたつは同じことのようで、アプローチが異なる。

 例えば、2012年ロンドン五輪。日本はグループリーグ初戦でスペインに1-0で勝利したが、この時の手段は後者である。日本は高い位置からのプレスでスペインの攻撃から自由を奪い、相手の時間を作らせなかった。

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