カズ、日本代表での最後の輝き。衰えを指摘されながらも圧巻の4発 (2ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by AFLO

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 キックオフ直前には、城彰二とともにボールに手を置き、祈りを込めるような仕草を見せた。そのエモーショナルな姿に、ワールドカップ出場にかける熱い想いが投影された。

 4年前、ドーハの悲劇を味わったカズにとって、並々ならぬ想いで迎えた一戦だろう。もっともその時のカズは、すでに衰えを指摘されていた。

 当時30歳。老け込むにはまだ早かったが、Jリーグでもパフォーマンスが上がらず、ゴールもなかなか奪えないでいた。動きにキレを失いつつあったのは、たしかだった。

 それでも日本代表では、3月から始まったアジア1次予選でゴールを量産。マカオ相手に6ゴールを奪うなど出場5試合で10得点。カズの代わりが務まる者はほかにおらず、最終予選でも日本の運命を左右する存在であることに変わりなかった。

 一方で最終予選に向けて、日本に不安がなかったわけではない。それはレギュレーションが急遽、ホーム&アウェー方式に変わったことだ。

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