久保建英と永井謙佑に「頼った」。森保ジャパンは強くなっているのか (2ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • 藤田真郷●写真 photo by Fujita Masato

 どこまでFW色の強いアタッカーでいられるか。日本サッカーにとって不世出の選手になれるかどうかは、その点に掛かっている。一介の日本代表選手で終わるのか。単なるスター選手で終わるのか。それともスーパースターの域に達するのか。

 18歳になったばかりのいまは、なんとも言えない微妙な状況にある。サッカー選手としての評価が確定するのは、まだ3、4年先の話になるが、それとプレーするポジションは密接な関係にある。プレーするエリアが高ければ高いほど、選手としての価値は上昇する。ゲームを作る側でなく、決める側に回れるか。日本代表の将来も、そのことと密接な関係にある。

 そうした意味で、磨くべきはドリブルになる。1トップ下よりウイングの方が適している。FC東京でのポジションより幾分高い位置がベストだと思う。アタッカーに不可欠な武器となるドリブルを磨く環境にはそちらの方が適している。

 森保監督は前戦トリニダード・トバゴ戦に続き、この日も、「シャドー」はいてもウイングのいない3-4-2-1で戦った。ドリブラーである原口元気(ハノーファー)と伊東純也(ゲンク)は、4-2-3-1の3の両サイドではなくウイングバックとして出場。アタッカーと呼ぶには低すぎるポジションでプレーした。

 前戦は酒井宏樹(マルセイユ)と長友佑都(ガラタサライ)だった。4-2-3-1ではサイドバック(SB)を務める両選手を据えたが、このエルサルバドル戦ではウイングバックに4-2-3-1では3の両翼を務めるウイング系の選手を据えて戦った。

 その分、攻撃的に見えたかもしれない。0-0に終わったトリニダード・トバゴ戦に比べ、森保式3バックは機能したとの見方をする人はいるだろう。しかし一方で、そうした議論をするのが的外れだと言いたくなるほど、相手のエルサルバドルは弱かった。トリニダード・トバゴよりパスをつなごうとする意志こそ高かったものの、フィジカル的に貧弱で、前戦に続いて強化試合には物足りない相手だった。

 そのエルサルバドルに日本は苦戦した。相手の3FWに対し、最終ラインを5人で固める守備的な時間が多く存在したことも、少なからず輪を掛けた。前半19分、永井が挙げた先制ゴールは、日本のサッカーがよかったと言うより、単純に永井のフィジカル的な要素がもたらしたゴールというべきだろう。スピードと馬力を兼ね備えた彼こそが、どことなく貧弱な印象のエルサルバドルにとって、最も脅威になっていたように見えた。

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