U-20W杯、がむしゃらに戦った日本がイタリア戦でこうむった代償
この試合そのものは、悪い内容ではなかった。試合を攻勢に進めていたのは、間違いなく日本のほうだ。前半にいくつかの決定機を作り出し、それを決めていれば、という試合である。
結局は勝ち切れず、相手の狙いどおりの引き分けに終わりはしたが、内容と結果が常にイコールになるわけではない以上、そういうこともある。勝てなかったからと、ことさらケチをつけるような試合ではなかった。
ただし、グループリーグ全体、あるいは大会全体のなかの1試合として、この試合をとらえたとき、違う戦い方(あるいは、試合の使い方、試合に対する考え方、などと言ったほうがいいのかもしれない)があったのではないか。正直、そんな疑問を感じた試合でもある。
U-20ワールドカップのグループリーグ第3戦が行なわれ、日本はイタリアと0-0で引き分けた。これで1勝2分けの勝ち点5とした日本は、グループ2位で決勝トーナメント進出。「1次リーグ突破が最初の目標だった」(影山雅永監督)というU-20日本代表にとっては、まずは第一関門通過である。
グループリーグ最終戦、日本はイタリアと0-0で引き分けた グループリーグ最終戦に臨むにあたり、日本とイタリアの考え方は、対照的だった。
これまでの2試合を同じ先発メンバーで戦い、2連勝ですでに決勝トーナメント進出を決めていたイタリアは、先発9人を入れ替えた。疲労の蓄積を避けるのに加え、前の試合までに7人もの選手がイエローカードをもらっていたため、累積警告による出場停止となる選手を出さないように、との狙いもあっただろう。
先発に今大会初出場の選手が6人も含まれていたが、守備重視で慎重に戦い、勝てばもちろん、引き分けでも首位通過。負けたところで2位通過は決まっているのだから、メンバーの入れ替えは常套手段と言っていいだろう。
その一方で、第1戦から第2戦で先発メンバー3人を入れ替えていた日本は、この試合でも第2戦から4人を入れ替えた。イタリアと違い、戦力をまんべんなく活用しているようにも見えるが、実際は3試合連続で先発した選手が7人。うち4人は、結果的にすべてフル出場している。初戦の後半ロスタイムで交代したMF山田康太を加えれば、実質5人が3試合フル出場したことになる。
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