ボリビア戦はスタメン総入れ替え。序列打破へ乾らサブ組の想いが熱い (2ページ目)

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi
  • photo by JFA/AFLO

 もっとも、スタメンの大半を入れ替えるのは、今回に限った話ではない。10月シリーズでもパナマ戦とウルグアイ戦でスタメンを9人入れ替えているし、11月シリーズのベネズエラ戦とキルギス戦では今回と同様、スタメンを総入れ替えしている。

 その背景に「招集した選手をできるだけ起用したい」という指揮官の考えがあるのは間違いない。実際、多くの選手にチャンスを与え、堂安律(フローニンゲン)、冨安健洋(シント・トロイデン)、シュミット・ダニエル、北川航也(清水エスパルス)、佐々木翔(サンフレッチェ広島)、山中亮輔(浦和レッズ)といった選手たちを代表デビューさせている。その点で、選手思いの優しい監督のように見える。

 だが、果たして本当にそうなのか。

 10月シリーズでも、11月シリーズでも、AチームとBチーム......すなわち、レギュラー組とサブ組に分けられていた。そして今回も、コロンビア戦に先発したのは、アジアカップを経験したメンバーを中心としたレギュラー組だった。

 つまり、厳然たるチーム内序列がはっきりしている――その点で、非常に厳しい監督とも言えるのだ。

 今年1月のアジアカップで2試合の出場に終わり、序列を突きつけられた乾はボリビア戦に向けて、あらためて自身の置かれた状況について触れた。

「今は1試合、1試合が本当にアピールしないといけない状況。いつもそうでしたけど、とくに今は若い選手が出てきて、自分のポジションがなくなってもおかしくない状況なので、しっかりアピールしていかなければいけない」

 また、ロシアワールドカップ以来の招集となった宇佐美も、今後の代表キャリアにおいてボリビア戦がいかに重要な試合になるかを説いた。

「久しぶりの試合のなかで、今チームは2連敗していて、総入れ替えでチャンスをもらえて、自分にとっても大きな意味を持つ試合だと思います。なんとしても結果を残したい、という危機感めいたものは一番あるんじゃないかと思いますけど、入れ込みすぎてもよくないし、明日試合が始まった瞬間からそうなるように、今はいい意味で無の状態です」

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