クビになった監督は何をやってたんだ。有望な若手が森保Jで大暴れ (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 今回のコスタリカ戦に臨むにあたっては、1週間程度のキャンプ期間しかなく、しかも、札幌で予定されていたチリ戦が、地震の影響で中止となった。森保監督も「チームとして練習できる時間は限られていた。チームコンセプトは提示したが、それを具現化するのは簡単ではない」と語っているように、チーム戦術を固めるほどの時間はなく、細かな連係はまだまだ望むべくもなかった。

 しかし、だからこそ、選手個々の能力の高さを感じられる試合になったとも言える。

 守備では、高い位置から相手の攻撃を制限する連動したプレスが思いのほかハマっていたし、攻撃でも、"3人目"が絡むコンビネーションが何度か見られた。急造チームにして、これだけのことができるのは、選手それぞれが、個人戦術やグループ戦術を身につけていればこそ、だ。

 だからといって、連係ばかりを意識してプレーが窮屈になることはなく、中島翔哉、南野拓実、堂安律らは、積極的にドリブルで仕掛けることも忘れなかった。個で局面を打開するという点では、(たった1試合とはいえ)歴代の日本代表のなかでも屈指のチームだろう。

1ゴールを挙げるなど、前線で存在感を示した南野拓実1ゴールを挙げるなど、前線で存在感を示した南野拓実 また、ボールを奪い合う場面でもボディコンタクトを嫌がらず、強度の高いプレーを続けられたことも、試合全体の印象を締まったものにした。

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