ハリルに「8年前の岡田ジャパン」再現は無理。協会は7日以内に解任を

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki 佐野美樹●写真 photo by Sano Miki

 ウクライナ戦は1-2に終わった。マリ、ウクライナを仮想セネガル、仮想ポーランドに見立てて戦った2試合を1分け1敗で終えた日本。この両チームはあくまでも"仮想"で、実際の相手はこれ以上に強い。このまま本大会に突入すれば、大苦戦必至。だが、このあと本番出発前に国内で行なわれる準備の試合は、壮行試合を兼ねたガーナ戦(5月30日)に限られる。

ウクライナ戦を「マリ戦よりよかった」と評したハリルホジッチ監督ウクライナ戦を「マリ戦よりよかった」と評したハリルホジッチ監督 これほど希望の光が見えない代表チームも珍しい。試合後のインタビューでハリルホジッチは「マリ戦よりよかった。もう2、3点決めるチャンスがあった」と、強気を装ったが、日本が2、3点決めるチャンスがあったとすれば、ウクライナは5、6点決めるチャンスがあった。

 無理のある理屈だ。そうした客観性に乏しい分析を恥も外聞もなく口にするハリルホジッチそのものに、なにより無理を感じる。日本代表監督への信頼感は,本番に向けて失墜した状態にある。

 思い起こしたくなるのは2010年南アフリカW杯を戦った岡田ジャパンだ。現在のムードは、その時と同じ。本番に向けて、期待が持てない真っ暗な状態にあるという点で一致する。だが岡田ジャパンは本番で結果を残した。ベスト16入りを果たし、世界のファン以上に日本のファンを驚かせた。

 岡田ジャパンは本番直前に、それまでの"脈絡"を無視するかのような大手術を敢行。中村俊輔を外し、本田圭佑を0トップ(1トップ)に据えるなど、布陣を変え、選手を入れ替えることで、チームを土壇場で蘇らせることに成功した。

 しかし、ハリルジャパンが岡田ジャパンと同じ道を辿れそうかといえば、答えはノーだ。

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