長谷部誠に次ぐのは誰か。ハリルJの守備的MF「最終選考」を考える (2ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by Hiroki Watanabe/Getty Images

 クラブでは守備的MFから離れて久しい。昨年、日本代表として出場した2試合(W杯アジア最終予選のオーストラリア戦。国際親善試合のブラジル戦)では、危なっかしいプレーを露呈している。

 最終ラインと中盤とでは、選手の密集度が違う。ボールさばきにもより高度な足技が要求される。かつて、岡田元日本代表監督は、長谷部を使う理由について「密集地帯でのボールさばきが、他の選手より安定しているからだ」と述べたが、いまやそれも過去の話のように聞こえる。

 頭脳的および精神的、かつ経験値的には問題ない。心配されるのは年齢的な問題とポジションの適性だ。別のポジションで長くプレーしている間に、感覚が鈍ってしまったとすれば心配だ。

 昨年、長谷部が代表チームを離れている間に台頭したのが、井手口陽介(クルトゥラル・レオネサ/スペイン)だ。敗れれば、大陸間プレーオフに回る可能性が濃厚だったW杯アジア最終予選vsオーストラリアでゴールをマーク。一躍、株を上げた。

 最大の武器は身体能力。ボールを奪取する力に長けているが、一方で守備的MFの選手としてはミスが多い。

 ハリルジャパンは昨年、メインの布陣を4-2-3-1から4-3-3に変更。井手口は、そのインサイドハーフとして起用されるケースが増えている。しかし、今年の1月に移籍したクルトゥラル・レオネサでは、現在まで、満足な出場機会を得られていない。若干足踏み状態にある。

 メインの布陣が4-3-3になると、そのインサイドハーフは攻撃的MFという位置づけになる。自ずと守備的MFの枠は減り、高め(攻撃的MF)の枠は増える。それぞれの関係は微妙に変化する。

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