豪州戦を「ロンドン&リオ世代」で勝たなければロシアW杯も勝てない (3ページ目)

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi
  • 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

 だから、ワールドカップ予選でオーストラリアに勝っていないというネガティブな戦績も、「そういえば、そうだったな」くらいの印象でしかなく、選手たちにもオーストラリアへの苦手意識はないだろう。

 ただし、今回の対戦はかなりの警戒が必要だ。

 アジアチャンピオンとしてオーストラリアが出場した今夏のコンフェデレーションズカップにおける戦いぶりを見るかぎり、昨年10月の対戦時よりもオーストラリアの進化が著しいからだ。

 昨年10月の対戦時には、オーストラリアは中盤がダイヤモンド型の4-4-2を採用していた。そのときは中盤のバランスに危うさが感じられたが、最近は3-4-2-1を主戦システムとし、ふたりのボランチが中央をしっかりと締め、バランスがよくなっている。

 また、前回の対戦でややぎこちなさが感じられたパスワークも、ディフェンスラインの中央に位置するDFトレント・セインズベリー(江蘇蘇寧)、中盤のMFアーロン・ムーイ(ハダースフィールド・タウン)、MFマッシモ・ルオンゴ(QPR)といった選手たちによって、より力強く、正確に、そしてスピーディになり、189cmのFWトミ・ユーリッチ(FCルツェルン)を中央に置く3トップが迫力のあるフィニッシュシーンを作り出す。コンフェデレーションズカップのチリ戦では、個々のテクニックとパスワークにおいては世界トップレベルを誇るチリに「蹴るサッカー」を選択させている。

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