スペインの知将が分析するUAE戦。「日本の守備は破綻しかけていた」 (4ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Fujita Masato

 しかし、日本は後半7分に2得点目を挙げる。吉田(麻也)のロングパスに大迫が高いジャンプで競り勝ち、右サイドの久保につなげる。久保は左足でファーポストに走った今野へ。今野はマーカーの裏をとっており、速(すみ)やかにGKを破った。ロングボールの直線的攻撃からの得点。1点目と違い、評価すべき点だ」

 ただし、エチャリは「完勝」という評価には疑問を投げかけている。

「日本はUAEにサイドで起点を作られ、バックラインの前に侵入されており、終始、その問題を解決できないままだった。後半にモハメド・アルラキを投入された後はしばし混乱。アンカーの山口はあまりに孤立していた。失点には至らなかったが、数的に不利な状況が多発。久保、原口がしっかり両サイドを閉じたことと、相手の消耗が明らかになってきたことで、最後は危なげなくクローズしたが......。

 終盤に安定したのは、倉田(秋)、本田(圭佑)、岡崎(慎司)の投入も大きかっただろう。疲れを見せる相手に対し、倉田が献身的に動き、本田はポゼッションをもたらし、岡崎がゴールの脅威を与えた(1本目のシュートは見事。2本目は決めなければならなかった)」

 最後に、エチャリはUAE戦をこう総括している。

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