ハリルジャパンを引っぱる原口元気の実感「豪州戦が分岐点だった」 (4ページ目)

  • 佐藤 俊●文 text by Sato Shun
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 原口が言うとおり、日本は世界を相手に戦うときは、最終予選を戦っていたときとは異なる戦い方を強いられる。それでも、ここ最近の日本代表は少なくとも最終予選では攻撃的に戦ってきた。とりわけ、ザッケローニ監督時代は自慢の攻撃が威力を発揮し、最終予選も危なげなく突破した。チームの完成度も非常に高かった。

 原口は同指揮官のもと、3次予選と東アジアカップに出場している。その当時と比べて、ハリルホジッチ監督が率いる今回のチームの、アジアでの戦いぶりについては、どんなふうに見ているのだろう。

「ここ2試合は、UAE戦よりも明らかにアグレッシブにプレーできているし、オーストラリア戦も、サウジアラビア戦も、ひとつひとつの局面で勝てるようになった。そうなれたのは、オーストラリア戦が大きいですね。僕自身のミス(PKを献上)で勝ち点3が取れなかったけど、アウェーの戦い方がしっかりできて、いい試合ができていたと思う。あれで、サウジアラビア戦もこれだけテンションが高くというか、ハードにやれた。それができれば、日本のほうが技術的に優れているんで、いい試合ができる。こういう試合を最低ラインにしたいし、これを続けていきたいですね」

 ホームのイラク戦で何とか勝利を得たときは、「このままではオーストラリア戦はやられてしまう」と原口も危機感を露(あら)わにしていた。しかし、そのオーストラリア戦では守備重視という戦術的な狙いを持って臨み、勝ち点1を取った。チームとしてやれることが増えていき、それまで足りなかった球際での厳しさも発揮することができた。

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