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「ブラジルの経験を無にしない」山口蛍が下した決断 (3ページ目)

  • 佐藤 俊●文 text by Sato Shun
  • photo by JMPA

 山口は、すでに気持ちを切り替えて、次に向けてスタートしている。もともと自分がプレイするイメージを抱いていたのは、2018年ロシアW杯だったからだ。だが、ブラジル大会を経験できたことで、ロシアW杯で戦うイメージはもちろん、それまでに自らがすべきことがより鮮明になった。

 その意識の表れか、コロンビア戦の翌日、自ら声をかけて同じ意識を持った仲間たちとともに、練習グラウンドに出た。清武弘嗣らロンドン五輪世代の選手たちとボールを蹴って、「ロシアではオレたちが中心になってやる」と誓った。

 帰国した翌日も、早速セレッソの練習場に顔を出して体を動かした。

「4年後のロシアW杯では、自分が目指している理想のボランチになれていればいいかな、と思っています。具体的には、しっかり守れて、点が取れること。言葉にすると単純だけど、それを世界レベルできちんとこなすのは難しい。それができて、ダイナミックで運動量もあるボランチになりたいですね」

 ブラジルW杯では、勝つことの難しさや、世界の個の強さなどを体感し、意識が一段と高くなった山口。その評価は海外でも高く、スペインやブラジルなどで“山口株”は上昇している。

 今後、山口に求められるのは、経験したその“熱”を忘れずに、世界を意識してプレイすることだ。そして、日本代表の主力選手として、さらに飛躍するためには、次の一歩が重要になる。
  

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