名波浩の提案。遠藤保仁&大久保嘉人の「意外な活用法」 (2ページ目)

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 次にボランチだが、これまで主軸だった遠藤保仁を外したのは、彼を途中から入れたほうが相手にとっては厄介だと思うからだ。コスタリカ戦でも後半から遠藤が入って、流れが変わった。あのフワッとしたリズムの作り方は独特で、劣勢のときや、点を取りに行きたいときに、遠藤という強力な"カード"が控えていることは心強い。

ここに来て急成長を遂げている山口蛍(写真右)ここに来て急成長を遂げている山口蛍(写真右) そうした選択ができるのも、山口と青山の成長がある。とりわけ山口は、テストマッチ3試合で最も評価が上がった選手。今年3月のニュージーランド戦(4-2)のときと比べても、前への意識が高くなり、守備での貢献度も増した。最終ラインの前で相手の攻撃をブロックしようという気持ちが強くて、危ないところには必ず顔を出している。

 前線へのタテパスの精度も高く、コスタリカ戦、ザンビア戦では、FW柿谷曜一朗にスーパーなパスを送って、何度か決定機を演出。攻守において、目覚しい活躍を見せている。にもかかわらず、あまりメディアに取り上げられていないのは不思議でならない。DF森重とともに、もっと脚光を浴びていい選手だと思う。

 1トップを大迫にしたのは、昨年11月の欧州遠征で奮闘し、以来、ここ半年くらいですごく成長した選手だからだ。

 プレイの質は高いし、深さを作れて、キープ力もある。なおかつ、ゴール前に入っていくタイミング、シュートまでの過程も抜群だ。ディフェンス面でも、敵DFのパスコースをしっかり限定し、前線からのケアがよくできている。先発したコスタリカ戦でゴールを決めていれば、誰もが迷うことなく、「1トップは大迫」と断言していたのではないだろうか。

 勢いのある大久保嘉人の先発もありだが、1トップと2列目、4つのポジションはどこでもこなせる彼には、遠藤と同様、苦しい状況で使える貴重なカードとしてベンチに置いておきたい。

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