北澤豪が初告白「20年前のドーハで受け取った御守りの行方」 (2ページ目)

  • 渡辺達也●文 text&photo by Watanabe Tatsuya

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 それでも北澤はアップをやめなかった。ふたり目の交代選手として武田修宏(ヴェルディ/現解説者)が投入され、自分の出番はないとわかっていたにもかかわらず、走り続けていた。

「いてもたってもいられなかったんだよね。当時の映像を見てもらえばわかると思うけど、同点ゴールを決められたとき、ベンチの並びにオレはいないから。なんで?って聞かれたら困るけど、オフトへの怒りとかじゃなくて、あのときはピッチで戦っているみんなと一緒に動いていないといられなかった。一緒に動いていれば、なんかこのままいけるんじゃないか、勝てるんじゃないかっていう、ぜんぜん試合とは関係ないんだけど、そういう思いだった。もうそれしかできなくて、(試合を)黙って見ていられなかった」

 北澤がアップを続ける中で"悲劇"は起こった。イラクのショートコーナーから同点ゴールを奪われた。

「あのシーンは、はっきりと覚えている。まさか、ショートコーナーなんて......。その瞬間、驚きましたね。ただ、試合が終わって冷静に振り返れば、もし自分が試合に出ていたら、ショートコーナーでボールを受けた選手に寄せていくのは、オレの役割だったんですよ。だから、それからはずっとそのことを考えていました。オレが出ていれば、あのシュートは阻止できたんじゃないか。いや、オレが出ていても阻止できなかったかな、と。両方の思いが自分の中で駆けめぐっていましたね」

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