チーム力を上げるために、今こそ中村俊輔や闘莉王を招集すべき

  • スポルティーバ●構成 text by Sportiva
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

識者が語る「ザックジャパン改造計画」(3)
木村和司氏


3連敗に終わったコンフェデレーションズカップ。1年後のW杯で同じ結果に終わらないためにはどうすればいいのか。今回は、世界レベルの守備の前に沈黙した攻撃面のレベルアップについて、元横浜F・マリノス監督の木村和司氏が分析する――。

今季好調の中村俊輔。精度の高いFKはザックジャパンでも大きな武器になるだろう。今季好調の中村俊輔。精度の高いFKはザックジャパンでも大きな武器になるだろう。 コンフェデレーションズカップ(以下、コンフェデ)で、ブラジル、イタリア、メキシコと対戦した日本。3戦全敗の結果が示すとおり、世界との差は明らかだった。イタリア戦こそ、相手にボールを持たせてもらった分、いい攻撃ができていた時間帯もあったが、3戦を通して、自分たちのサッカーはほとんどできていなかった。

 特に初戦のブラジル戦は、相手の整備されたディフェンスの前に何もやらせてもらえなかった。ブラジルの厳しいチェックを受けてピッチに倒れる選手が続出し、それを恐れて誰もがパスをもらうことさえ避けているように見えた。ゆえに、ボールが来ても落ち着いてさばくことができず、慌ててパスを出してミスを連発した。

 結局、そのブラジルがコンフェデを制覇。今や世界トップの力を持つチームだけに、それも仕方がない、という考え方もできる。だが、他のチームはブラジル相手でもボールを保持し、チャンスを作っていた。世界で戦うには、日本もそれぐらいできないといけないし、ブラジルの守備網を少しでも打開する力を持っていなければ、1年後のW杯で結果を残すことはできないだろう。

 では、それだけの打開力を身につけるには、何をすべきか。

 最も重要なことは、自分たちの"間合い"でプレイできるようになることだ。敵のプレッシャーのタイミングを外して、自分たちの間合いに入らせないような、ボールの持ち方、ボールの動かし方ができなければいけない。相手が素早くチェックに来たら、うまくあしらってダイレクトではたくとか、反対に待ち構えているようだったらドリブルで仕掛けたり、一度相手を引きつけてからパスを出したりするとか、敵のリズムを崩して、自分たちの間合いでボールを動かせなければいけないだろう。

 ただ、世界のトップレベルを相手にした場合、個人の力だけではどうにもならない。そこで、チーム、もしくはグループで、自分たちの間合いに入らせないような形を作って、相手の守備を打開していかなければいけない。

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