【日本代表】なぜ日本人サイドバックは欧州で活躍できるのか (4ページ目)

  • 写真●藤田真郷 photo by Fujita Masato

杉山 W杯予選のオマーン戦では、後半、酒井高徳選手が入って、長友選手が一列前に出た。サイドバックを縦に並べることで、前でプレスをかけるというのは、それこそ現代サッカーの守備固めになるのではないでしょうか。

名良橋 守備は計算できるし、今のSBはボールをもてるから、攻撃の形も作れる。ありかな、と思います。

杉山 SBって、1対1で抜きにかからない限り、そう簡単にボールを奪われないでしょう。せいぜいタッチラインから出してしまうくらいで、ミスで奪われるということもそうそうない。

名良橋 中よりスペースがありますから。そういう意味でも、杉山さんの言うように中盤の選手がSBをやるというのは面白いかもしれません。

杉山 細貝選手も長谷部選手も、ブンデスではSBをやったりしています。ドイツでディフェンシブハーフをやるには背が低いという人もいて、だから流れていく。

名良橋 それは僕的にはちょっと悔しい(笑)。中で使えないからSBに回すというのは、なんかSBを下に見てる感じで。ただ長谷部選手とかはSBでも結果を出すじゃないですか。真面目という日本人の良さが出ていると思う。

杉山 彼らみたいな外国人選手は少ないでしょう。

名良橋 SBやれといわれると、それだけで精神的に落ちてしまう人が多いでしょうね。日本人は「与えられたポジションで頑張ります」と言う。そこで結果を出せば、やはり監督としてみれば使いやすいと思います。

杉山 今、世界で注目のSBというと、やはりダニエウ・アウベスですか。チャンピオンズリーグのミラン戦なんて、どう見てもウィング。ほんとにSBはフォーメーションによって役割が変わるんですね。

名良橋 位置が5メートル違うと、全然プレイが違ってきます。第1戦のダニエウ・アウベスは後ろにいたので、押し込まれていました。いいタイミングで上がっていたけど、エル・シャラウィにつかれていた。でも第2戦は前に張っていたので、エル・シャラウィはどうしていいのかわかならなかった。あとはユーベのリヒトシュタイナーに注目しています。日本人タイプというか、すごくがんばるSBです。

杉山 Jリーグで気になる選手はいますか。

名良橋 ベガルタの菅井直樹選手とベルマーレの古林翔太選手。まさに槍、スペースがあるとどんどん上がっていきます。広島の清水航平選手、レッズの宇賀神友弥選手も楽しみですね。

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