【なでしこ】
次世代のストライカー・京川舞が歩む「世界のトップ」への道

  • 松原渓●取材・文 text by Matsubara Kei
  • photo by AFLO SPORT

次の世代のエースストライカーとして期待がかかる京川舞次の世代のエースストライカーとして期待がかかる京川舞素顔の撫子 Vol.29 京川舞

 中学3年で初めて年代別代表(U-15日本女子代表)に選出されてから、各年代代表のエースFWとして活躍して注目を集め、なでしこジャパンにも名乗りをあげる若きストライカー、京川舞。

 京川は2012年の春、名門・常磐木学園高校からINAC神戸レオネッサに入団。即戦力として期待どおりの活躍を見せ、開幕から出場し続けた。しかし、なでしこリーグ第5節で左内側側副靱帯および内側半月板損傷、さらに前十字靱帯断裂の大ケガを負ってしまう。そして、7カ月におよぶ苦しいリハビリ――。それを乗り越え、見事に復帰した彼女の目に今、映るものとは。

■世代別代表で活躍。エリートコースを歩むストライカー

 京川は小学2年から地元・茨城の堅倉スポーツ少年団でサッカーを始め、中学時代には男子サッカー部で唯一の女子選手としてプレイしながら、鹿島レディースサッカークラブでもプレイ。京川とサッカーとの出会いには、こんなエピソードがあったという。

「小さい頃から体を動かすのが好きで、最初に水泳をやって、もうひとつバスケかサッカーをやろうと思って、バスケの見学に行ったんですけど、ほとんどボールに触れなくて......。その帰りにサッカー部の練習に行ったら、コーチが優しくてボールも触らせてくれて、楽しかったからサッカーにしました(笑)」

 高校では、女子サッカー界の名門で、チャレンジリーグ(なでしこリーグの下部リーグ)に所属する常盤木学園高校に進学。同校のエースとして、2010年の全日本女子選手権(現・皇后杯)では日テレ・ベレーザを破ってベスト8進出に貢献。2011年にはチャレンジリーグEAST 15試合で24ゴールを挙げて得点王となった。また、同年のAFC U-19アジア女子選手権では日本を優勝に導き、得点王と最優秀選手に輝いている。

 そして、2012年春、同じ常磐木学園出身の仲田歩夢、JFAアカデミーの田中陽子と共に、澤穂希らなでしこジャパンの選手が多数所属するINAC神戸レオネッサへ入団。2月にはポルトガルで開催されたアルガルベカップでなでしこジャパンに初選出され、ノルウェー戦で初出場した。

 そんな京川には、常に周囲から大きな期待がかかったが、年代別代表チームでエースとしてチームを牽引してきただけに、プレッシャーとのつき合い方は心得ている。

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