【プロ野球】阪神がリーグトップの「死球」について掛布雅之が見解 ピッチャーとバッター、双方に必要なこととは? (3ページ目)
【パワーやスピードとともに磨いてほしいこと】
――時にはバッターの懐を厳しく突くことも必要ですが、そこにコントロールする技術が足りなければ、当ててしまう可能性が高くなりますね。
掛布 そうですね。死球からは話がそれてしまいますが、技術という観点で思い出すのは、今年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)です。WBCやプレミア12のような世界大会で日本が再び結果を残すためには、技術が大事だと思うんです。
今年のWBCでは、明らかに力の差や野球の違いを感じさせられました。そう考えた時、もちろん160キロのボールを投げることも求められると思うのですが、そのうえでやはり日本人独特の技術、"匠の技"が必須なんじゃないのかなと。その部分を忘れてしまうと、アメリカや中南米の国々のパワー野球には通用しないんじゃないかと思うんです。
――勝ち進んだチームはパワーに加えて、スピードも驚異的でした。
掛布 走塁や守備範囲など、すべてにおいてスピードがあって度肝を抜かれますね。岡本和真(トロント・ブルージェイズ)も、メジャーに行ったらプレーが変わりましたから。めちゃめちゃ走っているじゃないですか(笑)。
――そういったパワーとスピードの追求は大事だけれども、技術の追求も忘れてはいけないということですね。
掛布 ピッチングであればコントロールですが、それはバッティングも同じだと思います。確かにウエイトトレーニングをして、パワーをつけて対応していくこともすごく大事だと思いますが、打つための技術というものがありますから。
僕なんかは、体が大きくないから、ボールを遠くへ飛ばすためには技術を磨いて対応していくしかなかったんです。今はデータを重視しつつ、パワーで答えを出すような野球になっているような気がしますが、そこに技術を加えていくと3割バッターも増えてくると思います。
――死球の対策をするにしても、ピッチャー、バッターの技術の向上も必要そうですね。
掛布 ピッチャーがインコースを厳しく攻めるにも技術が必要ですし、一方のバッターには、避ける技術や体を引く意識や技術などが求められますね。根本的な解決策は、技術を高めることなんじゃないですか。
【プロフィール】
掛布雅之(かけふ・まさゆき)
1955年5月9日、千葉県生まれ。習志野高校を卒業後、1974年にドラフト6位で阪神に入団。本塁打王3回、打点王1回、ベストナイン7回、ダイヤモンドグラブ賞6回、オールスターゲーム10年連続出場などの成績を残した。球団初の日本一になった1985年は不動の四番打者として活躍。1988年に現役を引退した後は、阪神のGM付育成&打撃コーディネーター、2軍監督、オーナー付シニア・エグゼクティブ・アドバイザー、HANSHIN LEGEND TELLERなどを歴任。野球解説者や評論家、YouTubeなど活躍の場を広げている。
著者プロフィール
浜田哲男 (はまだ・てつお)
千葉県出身。専修大学を卒業後、広告業界でのマーケティングプランナー・ライター業を経て独立。『ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)』の取材をはじめ、複数のスポーツ・エンタメ系メディアで企画・編集・執筆に携わる。『Sportiva(スポルティーバ)』で「野球人生を変えた名将の言動」を連載中。『カレーの世界史』(SBビジュアル新書)など幅広いジャンルでの編集協力も多数。
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