検索

【部活やろうぜ!】今季飛躍の西武・西川愛也が振り返る花咲徳栄時代の寮生活「最初は ビックリしました」 (3ページ目)

  • 中島大輔⚫︎取材・文 text by Nakajima Daisuke

【"食トレ"として夕食に1000グラムの白米、夜食にはカップ焼きそば】

 野球では、速い球を投げ、打球を遠くに飛ばせる選手が大成しやすく、身体をいかに大きくするかが重要になる。そのためには栄養、休養、トレーニングのサイクルをうまく回すことが大事になるが、花咲徳栄の食事はどうだったのか。西川が振り返る。

「学生だったので栄養面はあまり考えず、量をとって体重を増やそうとしていました。夕飯の場合、米は1000グラム量って、納豆や数種類のおかずで流しこむ。米がきつかったですね」

 夜食は先輩たちにならい、ほぼ毎日カップ焼きそばを食べた。

「先輩が食べているのを見ると、なんか美味しそうなんですよ(笑)。そういうものだと思って、僕も夜食に食べていました」

 栄養学的に見れば、改善点はたくさんあるだろう。日本で、野球をはじめ、スポーツが科学的に捉えられるようになってきたのは、まだ最近の話だ。

 西川の記憶によると、高校入学時点の体重は60キロ。2年半が経ち、西武にドラフト指名された頃は78キロと発表されている。

 現在は、181センチ、90キロ。西武入団以降、トレーニングと食事で肉体を鍛え上げた。やはり、プロで活躍するには一定以上のフィジカルが不可欠だ。

 心身ともに成長したプロ8年目の今季、西川は目標のひとつに掲げていた二桁本塁打(10本)を初めて達成した。

「一軍で活躍するまでが、ちょっと長すぎましたね」

 2017年ドラフト2位で入団して以降、将来の主軸候補として期待されてきたが、一軍で羽ばたくには予想以上の時間を要した。

 その大きな原因は、高校時代にさかのぼる。「野球人生、終わった」という大ケガを負ったからだ。

>>>第2回へ──【部活やろうぜ!】西武・西川愛也が今も高校時代の恩師に指導を請う理由「あの人に教えてもらったら打てる」

西川愛也(にしかわ・まなや)
1999年6月10日生まれ、大阪府出身。181センチ・90キロ、右投げ/左打ち。外野手。大阪府堺市の浜寺ボーイズから、埼玉県の花咲徳栄高等学校に入学し、甲子園には3度出場した(2年春、2年夏、3年夏)。3年夏は甲子園の決勝戦で3安打4打点を記録し、同校初、埼玉県勢史上初の優勝に貢献。高卒で埼玉西武ライオンズにドラフト2位で指名された。高校時代に負ったけがの影響で、プロで活躍するまでに時間を要したが、8年目の2025年シーズンに開花。パ・リーグ4位の134安打と同3位の25盗塁を記録した。

著者プロフィール

3 / 3

キーワード

このページのトップに戻る