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ヤクルト高津臣吾監督が見据える2025年シーズン 「もうコーチにも選手も遠慮しないことにしました(笑)」

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya

ヤクルト髙津臣吾監督インタビュー(後編)

前編:ヤクルトはなぜ2年連続5位と低迷したのか?はこちら>>

 ヤクルトは2021、22年のリーグ2連覇から一転、去年、今年と5位に終わった。なかでも今シーズンは投手陣が苦しみ、チーム防御率はリーグワーストの3.64。来季の巻き返しに向けて投手陣の再建は最重要課題で、髙津臣吾監督は「うちの投手陣はお世辞にもレベルが高いとは言えないですね」と、期待をしているからこその厳しい言葉が続いた。

来シーズンオフのメジャー挑戦を表明したヤクルト・村上宗隆 photo by Koike Yoshihiro来シーズンオフのメジャー挑戦を表明したヤクルト・村上宗隆 photo by Koike Yoshihiroこの記事に関連する写真を見る

【新しい選手が出てこなかった】

── 今年も投手陣、特に先発に苦しんだ印象があります。

髙津 新しい人が出てこなかったですね。先発が手薄、弱点なのは明らかでそこを強くしていかなければとは思っていますが、しっかりした柱というものがなかったですね。今年もリリーフに負担のかかるシーズンだったし、ゲームバランスをもっと先発寄りにしていくのはここ数年の課題です。

── 先発投手を中10日にするなど、一人ひとりの登板間隔を空け、ローテーション投手を増やす試みもありました。

髙津 本当は少ない人数で、勝率のいい投手で回していくほうが勝つ確率は高いと思います。10人もいると、言葉はよくないですけど、一軍半の投手も投げることになり、どうしてもリリーフに負担がかかってきます。できれば少ない人数、少ない登板間隔で回すのが理想ですけど......繰り返しますが、新しい選手が出てこなかったですね。

── そうしたなかで、2年目の吉村貢司郎投手が9勝8敗、高橋奎二投手も8勝9敗でした。来年に期待を抱かせる内容の投球だったと思います。

髙津 シーズン終盤、吉村と奎二は少し安定して、形になりつつあるかなと感じました。まだまだ他球団のエース級とは差がありますが、大枠は見えてきました。将来的にどうなるかはわからないですけど、2025年が成長するシーズンになってほしいですね。

── 奥川恭伸投手はケガを乗り越え、2年ぶりの一軍マウンドで3勝を挙げました。シーズン終了後は、フェニックスリーグと松山キャンプを完走しました。

髙津 ぜひ来年は、シーズンも完走してほしいと思っています。抹消がなく、ローテーションも外れることなく、100イニングなのか、143イニングなのか、170イニングなのかわかりませんが、チームのためにアウトを積み重ねていってほしいですね。それが彼にとって、当然のシーズンのあり方でしょうし、まだまだゴールは遠いですよ。

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著者プロフィール

  • 島村誠也

    島村誠也 (しまむら・せいや)

    1967年生まれ。21歳の時に『週刊プレイボーイ』編集部のフリーライター見習いに。1991年に映画『フィールド・オブ・ドリームス』の舞台となった野球場を取材。原作者W・P・キンセラ氏(故人)の言葉「野球場のホームプレートに立ってファウルラインを永遠に延長していくと、世界のほとんどが入ってしまう。そんな神話的レベルの虚構の世界を見せてくれるのが野球なんだ」は宝物となった。以降、2000年代前半まで、メジャーのスプリングトレーニング、公式戦、オールスター、ワールドシリーズを現地取材。現在は『web Sportiva』でヤクルトを中心に取材を続けている。

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