【ドラフト2024】阪神が獲得したい地元の快腕 1位はアマナンバーワン左腕? 藤川球児二世? (3ページ目)

  • 安倍昌彦●文 text by Abe Masahiko

【ピンポイント補強でチーム力アップ】

 左腕といえば、今シーズン中継ぎで70試合に登板し、40ホールド、防御率1.79の好成績を挙げた桐敷拓馬を、来季は"ひとり"にしておいてはならない。すぐに使える左投手がほしい。

 社会人4年目の今季、エースとして都市対抗で奮闘した吉田聖弥(伊万里農林→西濃運輸/投手/176センチ・80キロ/左投左打)は、140キロ台前半のストレートとスライダーでカウントをつくり、緩急を生かしたチェンジアップで打者を仕留める。

 もうひとり伊原陵人(智辯学園→大阪商業大→NTT西日本/投手/170センチ・75キロ/左投左打)は、常に関西のトップチームで主戦を担ってきた投手。ストレートに強さが増し、武器であるカットボールの精度も年々上がっている。ストライク先行のピッチングができることも強みだ。

 今季の阪神を見て、昨年と大きく変わったのが盗塁数(79個→41個)だ。「足にスランプはない」と言われるが、実際は体調、メンタルによって大きく影響する。それほど走塁、盗塁というのは難しいものだ。

 快足ランナーなら、何人もいるぞ。全員が50m5秒台の韋駄天ばかり。どうせなら一芸じゃなく、二芸、三芸のほうがいい。

 庄子雄大(横浜→神奈川大/遊撃手/178センチ・73キロ/右投左打)は足だけでなく、神奈川大学リーグで通算100安打を記録したシュアで広角に打てる打撃が持ち味。

 また、小柄でも瞬発力抜群の長打力に鉄砲肩も兼備する寺本聖一(広島商→広島経済大/外野手/170センチ・85キロ/右投左打)は、納得するまで練習を止めない"野球の虫"でもある。

 ほかにも、スピード感溢れるフィールディングに痛烈なセンター返しのバッティングが魅力の浦田俊輔(長崎海星→九州産業大/遊撃手/170センチ・70キロ/右投左打)、すぐ一軍メンバーに入っても遜色ない高い実戦力を誇る宮崎竜成(創志学園→立命館大→ヤマハ/二塁手/173センチ・85キロ/右投左打)といった万能型選手に注目したい。

著者プロフィール

  • 安倍昌彦

    安倍昌彦 (あべ・まさひこ)

    1955年、宮城県生まれ。早稲田大学高等学院野球部から、早稲田大学でも野球部に所属。雑誌『野球小僧』で「流しのブルペンキャッチャー」としてドラフト候補投手のボールを受ける活動を始める。著書に『スカウト』(日刊スポーツ出版社)『流しのブルペンキャッチャーの旅』(白夜書房)『若者が育つということ 監督と大学野球』(日刊スポーツ出版社)など。

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