新庄監督は名将の器⁉︎ 破天荒発言に隠された野村克也や落合博満と符合する野球観 (4ページ目)

  • 水道博●文 text by Suido Hiroshi
  • photo by Kyodo News

 そしてその目論見は見事にあたり、日本ハム・新庄監督はオフの話題を独占。まさに球界は「BIG BOSSフィーバー」だ。注目が集まれば選手のモチベーションは上がり、ファンの目が選手を育てる好循環となる。新庄監督はそれを承知のうえで、年末年始は自らがインフルエンサーの役割を果たした。

 数少ない人気選手である杉谷拳士には「オフはテレビに出るな」、清宮幸太郎には「デブじゃね?」と、期待しているからこその発言で、ふたりに奮起を促した。

 そして新庄監督のタイプだが、野村監督や落合監督と同じ「納得」させて選手を動かす指揮官だと思う。発言は破天荒に思われがちだが、すべてにしっかりとした根拠があり、理にかなっている。

 地位が人をつくる──かつて野村の監督時代に新庄を評して語った言葉である。4番に抜擢した2000年、新庄は131試合、142安打、打率.278、28本塁打、85打点とキャリアハイの成績を残し、メジャーへの足がかりとした。

 今回は「監督」という地位に立ち、納得させて選手を動かすという手法で、どんな新機軸を打ち出し、どんなチームづくりをしていくのか、興味はつきない。

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