ジョニー黒木が語る印象深い打者5人。イチローよりも生涯打率.250の打者に苦しんだ (2ページ目)
フルスイングしてくるバッターと対戦する時にタイミングを外すというのは鉄則なのですが、小笠原にはそれがまったく通用しなかった。足を上げて投げようとした時には、グッと視線をこっちに向けて待ち構えている。その迫力もすごかったですし、どの球種を投げても対応してくる技術力の高さがありました。
いろいろ配球を考えてうまく攻めたと思っていても、最後にやられてしまう......。緩急が通用しなかったという点で、小笠原は別格でした。
身体はそこまで大きくないけど、スイングの速さ、遠くに飛ばす能力はすごかった。イチローもそうでしたけど、いいバッターほどごまかしが効かない。ベストピッチを心がけて、「打たれたら仕方ない」という割り切りが必要でしたね。
【打ちとるのに苦労した打者】
対戦成績は悪くないのに、大事な打面で打たれたのがプリアム(元オリックス)でした。"七夕の悲劇" (※)もそうでしたし、その翌年もシーズン最初の登板で対戦してホームランを打たれました。打たれたのはわずか数本だったのですが、そのほとんどがホームランで、しかも印象に残る場面で打たれたものばかりでした。
※1998年、プロ野球記録に並ぶ16連敗中だったロッテは、7月7日のオリックス戦に黒木が先発。黒木の好投もあって、9回二死まで3対1でロッテがリードしていたが、プリアムに1ボール2ストライクと追い込みながらも、勝負球のストレートをレフトスタンドに運ばれ土壇場で同点に追いつかれる。結局、試合は延長12回にオリックスの広永益隆がサヨナラ本塁打を放ち、ロッテはプロ野球ワースト記録となる17連敗を喫してしまった
苦手意識や脅威に感じることはなかったのですが、やはりピンチの場面で対戦すると嫌な感じはありました。
打ちとるのに苦労したという点は、鈴木健(元西武など)さんも印象に残っている打者のひとりです。まず懐の深そうな構えが嫌で、どこに投げても打たれそうな雰囲気がありました。実際、バットコントロールがうまく、一発の怖さもあって、手強い打者でした。
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