西武・森友哉、あの号泣の真相。昨季の不調理由と「何より苦しかった」こと (2ページ目)

  • 白鳥純一●文 text by Shiratori Junichi
  • photo by Sankei Visual

 それが表に出たのが、8月27日にメットライフドームで行なわれた日本ハム戦だった。9回裏に、山川穂高がサヨナラヒットを放つ。チームメイトが喜ぶ中で、ベンチで泣き崩れる森の姿があった。

「僕自身がなかなか打てなかったこともありますが、チームも勝てていない状況が続いていたので、それが何よりも苦しかった」

 この試合では、森が途中出場したあとに投手陣が撃ち込まれ、一時は逆転を許した。その不甲斐なさゆえに森が涙を流したシーンは、もがき苦しむパ・リーグ王者を象徴する場面として、多くのメディアで取り上げられた。

「思うように気持ちが切り替えられない」シーズンが佳境に差し掛かった10月6日のホーム戦では、登場曲を『Baby Shark Dance』(Pinkfong)に変更した。この曲は、首位打者を獲得した2年前のシーズンに使用していた曲で、変更の理由を尋ねると「単純に気分転換です。特に深い理由はない」と振り返った。

 森はその試合で、外野スタンドのファンによる「シャークダンス」に導かれるように、犠牲フライとタイムリースリーベースを放つなど3打点。首位のソフトバンクから貴重な勝利をもぎ取った。

 試合終了時点で首位ソフトバンクと9ゲーム差の4位だったが、森はヒーローインタビューで「まだ、(優勝を)諦めていない。残り試合は、全部勝つつもりで試合をしたい」とコメント。その言葉に導かれるように、チームは2位のロッテを猛追する。11月には、一時2位に上がり底力を見せつけたが、再逆転を許して3位でシーズンが終了した。

 森は自身のSNSに、ベンチで涙に暮れた写真と、「今年は悔しい1年になりました。来年倍返しできるよーにこれから頑張ります!!」(原文ママ)というメッセージを添え、シーズン終了を報告した。

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