内川聖一が現役にこだわる理由。新天地で楽しみたいこと、学びたいこと (5ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by スポーツ報知

 ただひたすらに、前だけを見てガンガン行くのではなく、時には一歩引いてみたり、違う角度からアプローチしてみたり。冷静に物事を判断しながら、目的に向かって行く作業というのは、本当に楽しいですね」

 自主トレを終えれば、2月1日にいよいよキャンプインする。本格的にシーズンがスタートするなか、内川は新天地で迎える2021年をどのように思い描いているのだろうか。

「新たなチームに行く期待と不安が半々なので、まずは1日でも早くチームに合流して、野球をしたいなというのが一番ですね。ゼロからのスタートとなるなか、自分はどういう貢献ができるか。どういう部分を必要とされているのか。それを理解したうえで役割を全うし、シーズンが終わった時にチームメイト全員で喜び合えれば最高ですね」

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 最後に、失礼ながら聞いてみた。いつまで現役を続けるのですか、と。すると内川は、間髪入れずにこう答えた。

「今は、長くやりたくなりましたね。若い頃は、内川聖一ってあっさり引退しちゃうタイプなんだろうなって、自分で自分を分析していたんですけど、今は極端にやめる理由もないし、やめられない。極端にやめられる理由は何なのか。自分のなかでやめなければいけないなという理由が出てくるまでは、やり続けたいですね。

 だから、サッカーのカズさんはすごいなあと。今年で54歳でしょ。ああいう人たちががんばっている姿に刺激をもらいますし、僕自身も『内川、まだやってるのか』と言われるくらい、がんばりたいですね」

【profile】
内川聖一(うちかわ・せいいち)
1982年8月4日生まれ、大分県大分市出身。2000年ドラフト1位で大分工高から横浜ベイスターズに入団。10年間プレーしたのち、2011年に福岡ソフトバンクホークスにFA移籍する。2008年、2011年と両リーグで首位打者に輝くなど、球界を代表するアベレージヒッター。2018年にNPB史上51人目の通算2000安打を達成した。今季より東京ヤクルトスワローズに所属。185cm、93kg。右投右打。

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