立浪和義が弱点をズバリ指摘。村上、清宮、安田、根尾ら左打者を診断 (3ページ目)

  • 寺崎江月●取材・文 text by Terasaki Egetsu
  • photo by Sankei Visual

──昨季、セ・リーグ首位打者を獲得したDeNAの佐野恵太選手についてはどう評価していますか?

「2019年シーズンまで代打での起用が多かった選手が、いきなり開幕から4番を打つことには正直、驚きました。佐野選手のいいところは、絶対に体が前にいかないところです。ちょっと差し込まれたなと思っても、バットを体の近くに通してうまく距離を作ることができる。長打力もあってホームランも打てるのが魅力ですね。

 彼は代打の経験が長く、勝負どころでの起用が多かったことが今の活躍につながっていると思います。また、シーズンの最後にはケガで離脱しましたが、ほぼ1年間を通して活躍したことも高く評価できますね。DeNAは強打者が多いので集中してマークされなかったこともあるでしょうが、立派です。もっとも周囲の前評判を上回る活躍をした選手なんじゃないでしょうか」

──昨季にブレイクを果たした左打者でいうと、日本シリーズMVPに輝いたソフトバンク・栗原陵矢選手の名前も挙がると思いますが。

「気になった点から言うと、開幕当初からレギュラーで活躍していましたが、シーズン終盤は明らかに体の開きが早くなって成績が落ちました。ホームランバッターではないのに、ボールを飛ばそうという意識が強くなりすぎていたんでしょう。打率は.243と低かったですし、どう安定させるかが今後の課題だと思います。

 すばらしいホームランもたくさんありましたが、状況に合わせたバッティングができるようになったら打率3割を達成できる選手だと思います。佐野選手もそうですが、今シーズンが本当の勝負になる。特にソフトバンクは、不調になると別の力がある選手が控えていますから、油断せず頑張ってもらいたいです」

──阪神が昨年のドラフト1位で獲得した、佐藤輝明選手についてはどんな印象がありますか?

「映像でしか見たことがないんですが、最初の構えが高すぎるような印象がありました。そこから左肘を下げる形でスイングしているので、タイミングがハマった時じゃないと強い打球が打てないんじゃないかと。長打が魅力だと思うので、あとは今後の練習次第。阪神の井上一樹一軍ヘッドコーチの腕のみせどころですね(笑)」

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