立浪和義が弱点をズバリ指摘。村上、清宮、安田、根尾ら左打者を診断

  • 寺崎江月●取材・文 text by Terasaki Egetsu
  • photo by Sankei Visual

 間もなく始まるプロ野球の春季キャンプ。今年は桑田真澄氏が巨人の投手チーフコーチ補佐に就任するなどコーチ陣の顔ぶれも話題になっているが、中日ファンは臨時コーチとしてキャンプに参加する立浪和義氏に大きな期待を寄せているだろう。

 現役時代は中日ひと筋22年で2480安打を放ち、指導者としての手腕も気になるミスタードラゴンズに、各球団で注目の若手左バッターの評価を聞いた。

──若手の左打者として、2017年のドラフト会議で話題になった、ヤクルト・村上宗隆選手、日本ハム・清宮幸太郎選手、ロッテ・安田尚憲選手について、ここまでの成長をどう見ていますか?

「まず村上選手は、スイングスピードについては現在の球界でナンバーワンと言ってもいいと思います。昨季にあれだけ打率を上げられた理由は、追い込まれてから逆方向(レフト方向)を意識したからでしょう。むしろ、追い込まれてからのほうがいいバッティングをしているように見えます。逆に早いカウントで振りにいった時には、甘いボール、特に内角の早いボールに差し込まれてファールにしてしまう場面がある。まだまだ、伸びしろがあるということですね」

──具体的に、改善点を教えていただけますか?

「追い込まれて逆方向を意識している時は、前サイド(右足側)にきちんと壁ができ、体が前に突っ込まなくなりました。一方で早いカウントで振りにいく時には、胸が投手側に向くのが早く、右足の膝が早く割れてしまう。ボールを捉えるポイントが体の近くになってしまうので、仕留めなくてはいけないボールを空振りしたり、ファールにしてしまうことが多くなるんです。

 また、構えた時にバットのヘッドが投手側に"入る"ため、スイングの軌道が遠回りになってしまうところもあります。スイングの速さでカバーできていますが、そこを改善すればもっと打率も上がり、ホームランも増えるでしょう。そういった課題は本人もわかっているでしょうけどね。村上選手は将来、日本の4番になれる逸材。巨人の岡本和真選手と共に、球界を代表するバッターとして成長していってほしいです」

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