2020.10.22

スーパーカートリオVS八重樫幸雄。
ダントツNo.1で俊足だったのは? 

  • 長谷川晶一●取材・文 text by Hasegawa Shoichi
  • photo by Nikkan Sports/AFLO

【広角に打ち分ける高木豊と、ギリギリまで見極める加藤博一】

――高木豊さんについてはどんな印象がありますか?

八重樫 さっきも言ったけど、豊は穴の少ないバッターだった。とにかくバットに当てるのがうまいし、球種に応じて右に左に、どこにでも広角に打ち分けることができる。なかなか空振りもしないから、三振が取れない。どうしても球数が多くなるから気を抜けないんですよ。

――前回も触れましたが、加藤博一さんはどんなタイプでしたか?

八重樫 ヒロカズはとにかくしつこい。右打席の時はそうでもないけど、左打席の時は、ポイントをキャッチャー寄りに置いているから、「見逃すだろうな」と思った瞬間に、パッとバットが出てくる。ギリギリまでスイングしないんですよ。だから、必然的にフォアボールも多くなる。

――確かに、左バッターボックスに立った博一さんは、すりこぎ型のバットを短く持って捕球寸前のところでスイングして、三塁ベンチに飛び込むようなファールを打っていましたね。ちょうど、現在の中島卓也(日本ハム)みたいな感じでした。

八重樫 そうなんです。だから、捕球にいこうとすると、ミットがバットに当たって打撃妨害になっちゃうんだよね。秦(真司)とか、後輩のキャッチャーには「ヒロカズの場合はなるべく自分の身体に近いところで捕球しろ」って注意したな。あと、高橋慶彦も同じタイプだったよ。

――2人とも、後天的に左バッターになったスイッチヒッターだというのが面白いですね。

八重樫 本来の利き腕じゃないから、右打席よりもさらに「最後までボールを見よう」「ギリギリまで引きつけよう」という意識が働いていたんじゃないのかな? ヒロカズにしても、慶彦にしても、塁に出ればどんどん走ってくるし、キャッチャー泣かせのイヤらしいバッターだったね。