2020.09.01

山本昌が選ぶ侍ジャパン最強メンバー。
絶対に外せない投打の軸は?

  • 栗田シメイ●文 text by Kurita Shimei
  • photo by Koike Yoshihiro

── 初球を振ってくる打者と、そうではない打者では意識が変わってくるものですか。

山本昌 たとえば、高橋由伸はストライクゾーンであればどんな球種でも振ってきます。純粋に来たボールを振ってくるのですが、しっかりアジャストしてくる。そういうところが天才と呼ばれる所以(ゆえん)なのでしょうね。だから、初球の入り方はすごく慎重になりました。コントロールミスは許されないですから。

── 逆に、初球から振ってこない打者はいましたか。

山本昌 金本知憲ですね。初球はほぼ見逃していたというか、追い込まれるまでは手を出さない。だから2ストライクまでは簡単にいくのですが、そこから打ちとるまでが大変でした。あえて相手投手のウイニングショットを狙ってダメージを与えるということも、金本は考えていたと思います。

── いま現役のプレーヤーで、対戦時にデータを参考にした選手はいましたか。

山本昌 現役の選手だと、巨人の坂本には絶対にインローは投げないとか、そういうデータは参考にしていました。ただ、現役を長くやっていると相手の苦手なコース、得意なコースはお互いわかっているんですよ。そのなかでどうやって打ちとる確率を上げていくのかということを考えていました。

── データも大事だけど、ピッチングの技術や感性も大事になってくると。

山本昌 僕はコントロールピッチャーですから、制球には自信がありました。そこで決め球になる変化球が3つあって、その精度を上げることで投球に幅を持たせていました。相手に的を絞らせないというのが、僕のピッチングスタイルでした。二軍から上がってきた投手にありがちなのは、ストレートとスライダーでしかカウントを取れず、結果打たれてしまう。つまり、コントロールが伴わないとデータも意味を持ちません。