劇的サヨナラ勝ちが3夜連続。倉本寿彦の
内野安打はDeNAに勢いをつけた

  • 石塚隆●文 text by Ishizuka Takashi
  • photo by Kyodo News

 チームとしては初めて日本一になった1960年以来、57年ぶりとなるサヨナラ3連勝。これで勢いに乗ったDeNAはシーズンを3位で終えると、CSでは阪神、広島を破り、19年ぶりに日本シリーズへ進出した。

 とくに広島とのCSフィナルステージは、初戦を落とすも、その後4連勝という怒涛の勢いを見せ、あのサヨナラ3連勝の自信が大きく影響したのは想像に難くない。

 チームに自信をもたらす貴重な勝利に貢献した倉本だが、このシーズン、遊撃手として全試合フルイニング出場し、誰もが認める主力へと成長した。

 しかしながら翌年、阪神からFAで大和が移籍してくると、セカンドやサードでの出場が多くなり、また激しいポジション争いの末、徐々に出番を減らしていった。かくも厳しいプロ野球の世界。昨シーズンは、わずか24試合の出場にとどまった。

 今年のキャンプ前、捲土重来を期す倉本と話す機会があった。そこで気になっていたことを尋ねてみた。昨年のシーズン前、倉本は首脳陣に「ショートにこだわりたい」と直訴したといった報道があったのだが、これは事実なのだろうか。

 すると倉本は「いや、そんなことは言っていません」と即答した。

「こだわるというよりは試合に出られるのが一番ですし、出られるところで出て、ポジションをつかみたいです。そしてチームの勝利に貢献したい」

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