元NPB選手が多数所属で話題。琉球ブルーオーシャンズが描く未来 (3ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Kikuchi Takahiro

 選手のなかで実績ナンバーワンはNPB通算131本塁打を放っている吉村である。今年36歳になる吉村は「まだ選手としてやれると思っているし、若い選手と一緒にプレーすることで学ぶことがいっぱいある」と考え、入団を決めた。

 昨年は、ソフトバンク時代のチームメートであるリック・バンデンハークの仲介を受け、オランダリーグでプレーしている。

「バンデンに『野球をやめるときは最後にオランダに行きたい』と言っていたんですよ。思ったより早いタイミングになってしまったんですが......」

 渡蘭当初、吉村は相手投手が投じるボールが「チカチカして見づらい」ことが気になったという。やがて、その理由が判明する。

「向こうの球場はバックスクリーンがないからボールが見づらかったんです」

 日本でいかに自分が恵まれた環境で野球をしていたか、身に沁みた。

 年齢的にNPBに戻ることが困難であることは承知している。それでもモチベーションを保って練習に臨む理由は何か。吉村に聞くと、こんな答えが返ってきた。

「NPBに戻れるかは周りが判断して決めることなので、僕は与えられた環境で悔いなく野球をやるだけです。若い選手に恥ずかしい姿を見せられないですから」

 清水監督も「NPB出身選手が軽いプレーを見せると、若い選手もこんなもんでいいんだとなってしまう」と元NPB組が手本になることを期待する。

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