投手で甲子園優勝→プロで遊撃手挑戦。日本ハム平沼翔太、5年目の危機感

  • 沢井史●文 text by Sawai Fumi
  • photo by Sawai Fumi

 北海道日本ハムファイターズ・平沼翔太がゼロからのショート挑戦を始めてから丸4年が経った。高校時代(敦賀気比)は、1年時から類まれな打撃センスを見せ、主に外野手としてスタメンを張った。3年になると、4番・エースとして春の甲子園で優勝を達成。

5年目の今季、ショートのレギュラー獲りを狙う日本ハム・平沼翔太5年目の今季、ショートのレギュラー獲りを狙う日本ハム・平沼翔太 そんな平沼が、プロでは打者1本で挑戦することを入団前に公言し、未経験のショートで4年間奮闘してきた。だが、予想以上にエネルギーを要した4年間だった。

「最初の1年は光の見えないトンネルのなかにいたというか......何もできない1年でした。でも4年間を終えて、ようやく光が見えてきたかなという感じです」

 ちょうど4年前の今、ショートのノウハウを学びながらプロ1年目のキャンプで泥にまみれていた平沼は、「やっぱり無理かも......」と早くも限界を感じた時があったという。

 周りはショートとしてキャリアを積んだ選手ばかり。未経験の自分がかなうわけがない。どこまでやっていけるのだろうかと不安しかなかった。ネガティブな言葉しか頭に浮かばず、下を向いていたが、徐々に開き直るようになった。

「やれることをやって、無理だったらしょうがないかなと。とにかく、自分のやるべきことを必死にこなすようにしたら、考え方が変わっていって、少しずつ一軍が視野に入ってきたんです」

1 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る