36歳でキャリアハイの要因は。中村剛也に4択クイズで迫った (3ページ目)

  • 中島大輔●取材・文 text by Nakajima Daisuke
  • photo by Jiji Photo

 何年か一緒に見ていますけど、今のほうが僕のなかではすごみがある。バッティングの幅が、今はすごく広がっているんじゃないかな。でも、もともと練習では右に上手に打っている。それを試合でやるかどうか。長打がほしいのもあったでしょうし。去年くらいから、そういう割り切りをできたのかな」

 ライト方向へ、コンパクトな打撃が増えたのは、誰が見ても明らかだ。気になるのは、本塁打王に過去6度輝いてきた男が、そうしたバッティングをするようになった理由だ。

 9月19日の日本ハム戦では2−0で迎えた8回一死、外角のストレートをコンパクトなスイングでライト前に弾き返した。局面的にもう1点ほしく、中村なら一発を狙いにいってもいい場面だった。ただし、ヒットで出塁するほうが確率的には高く、そちらを優先したのか。

「いや、別に(笑)。そんな難しいことは別に考えていなくて。何とか、普通に。それまで3打席凡打していたので、何とかヒットを打ちたいと思って」

 見る側にとって「中村=ホームランバッター」というイメージがある一方、「もし、本塁打狙いを捨ててヒット狙いに徹すれば、首位打者になれるのではないか」という話を、球界関係者とすることが何度かあった。それほど、高い打撃技術を備えている。

 今季はそのテクニックがいかんなく発揮され、一時は打率3割に迫るほどのアベレージを残した。36歳になり、キャリアハイの打率が残っていることを、本人はどう感じているのか。

「うーん、まあ、ホント、無理なバッティングがなくなったというか。来た球を、素直に打っている。右に打っているというより、素直にバットが出ている結果、いいところに飛んでいる」

 知りたいのは、無理なバッティングがなくなった理由だ。4択クイズ第二問を出すタイミングが訪れた。

「36歳になって素直なバッティングができているのは、進化、割り切り、大人になった、その他、どれですか」

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