同じ高校出身、先輩VS後輩の行方。そこには数々のドラマが生まれる (4ページ目)

  • 中田ボンベ@dcp●文 text by Nakata Bonbe
  • アフロ●写真 photo by AFLO

■同級生対決にはどんなものがあった?

 先輩後輩対決だけでなく、同級生同士の対決もしばしば見られる。いくつか同級生対決を取り上げてみたい。

 PL学園のスターだった西武の清原と、巨人の桑田の対決はそのたびに注目を集めた。2人のオールスターと日本シリーズでの対戦成績は以下のようになっている。

◆PL学園高校の同級生対決

清原和博 VS 桑田真澄(ともに1985年度卒)
・オールスター
打数:7
安打:1(うち本塁打1)
打点:3
三振:2
打率:.143

・日本シリーズ
打数:12
安打:7(うち本塁打3)
打点:6
三振:1
打率:.583

・トータル
打数:19
安打:8(うち本塁打4)
打点:9
三振:3
打率:.421

 2人の初対決は、1987年のオールスター第3戦だった。初回の1アウト一塁の場面で、桑田が投じたストレートを清原がレフトにホームラン。この一撃で清原はMVPを獲得した。ただ、それ以降のオールスター戦では、清原は桑田の前に完璧に抑えられている。

 一方で、日本シリーズでは12打数7安打と清原が桑田を圧倒。特に1994年は第1戦での先制ホームランや、第5戦でのバックスクリーンへの2打席連続弾といった、印象に残る活躍を見せた。

 他には、巨人・菅野智之と広島・田中広輔は東海大学付属相模高校の同級生。同じく巨人・小林誠司と広島・野村祐輔も広陵高校の同級生同士だ。それぞれの対戦成績を下にまとめてみた。

◆東海大学付属相模高校の同級生対決

菅野智之 VS 田中広輔(ともに2007年度卒)
打数:69
安打:16(うち本塁打2)
打点:5
三振:17
打率:.232

 2016年7月28日の試合では、田中が2打席連続のホームランを放つなどしているが、トータルで見ると菅野に軍配が上がる。

◆広陵高校の同級生対決

野村祐輔 VS 小林誠司(共に2007年度卒)
打数:25
安打:7 
打点:3
三振:0
打率:.280

 野村と小林との対戦打率は.280と、小林がまずまずの成績を残している。三振がないというのも興味深いところだ。最近は出場機会が減り、なかなか対戦機会のない2人だが、チームに欠かせない存在だけに、また熱い対決が見たいところだ。 

■番外(投手同士の対決)

 バッターとピッチャーだけでなく、先輩・後輩の投手同士で投げ合うこともある。例えば、横浜高校の先輩後輩である松坂(1998年度卒)と成瀬(2003年度卒)は、松坂が西武、成瀬がロッテに所属していた時代に1度投げ合い、松坂が勝利している(2006年8月23日)。また、成瀬は後輩の涌井(2004年度卒)とも度々ぶつかっており、公式戦では6回投げ合って成瀬が5勝。先輩の貫禄を見せつけている。現在、成瀬はオリックス、涌井はロッテに所属しているため、再び投げ合うことがあるかもしれない。

 同じ高校出身の選手同士の対戦は、時にドラマチックな結果をもたらすもの。2018年のドラフトでも、大阪桐蔭から4人もの選手がプロの世界に足を踏み入れており、同門対決が起こる可能性がさらに高まっている。現状では、偉大な先輩と戦うにはまだ物足りないかもしれないが、いつか先輩たちを超えることを信じて、成長を見守りたい。

4 / 4

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る